つづきクリニック

刈谷市の 内科,外科,胃腸科,肛門科 つづきクリニック

〒448-0003 愛知県刈谷市一ツ木町4丁目7番地6
TEL 0566-63-6102
※上記QRコードを読み取っていただきますと、一般の携帯からは携帯サイトが、スマートフォンからは、スマートフォンサイトが閲覧可能です。

ウイルス感染症 2

無菌性髄膜炎とは

無菌性髄膜炎

■無菌性髄膜炎とは
無菌性髄膜炎は髄液検査で病原体が見つからない髄膜炎のことをいい、多種多様な病原体によって引き起こされます。一般的な臨床の場においては、無菌性髄膜炎はウイルスによることが多いです。
■好発時期・好発年齢
無菌性髄膜炎の約85%がエンテロウイルスによるものであるため、基本的な流行パターンはエンテロウイルスの状況を反映します。即ち、初夏から増加し始め、夏から秋にかけて流行が見られます。好発年齢は幼児及び学童期が中心です。
■病原体
無菌性髄膜炎を起こし得る病原体のうちウイルスが最も多く、このうちでもエンテロウイルス属が全体の約85%を占めます。その他のウイルスとして、ムンプスウイルス、単純ヘルペスウイルス2型などがあげられます。ウイルス以外の病原体として、マイコプラズマや真菌、寄生虫なども原因となります。また、結核、ライム病、回帰熱、ブルセラ症なども疾患の一部として無菌性髄膜炎を発症することがあります。感染経路は病原体によって異なりますが、エンテロウイルスの場合には基本的に患者或いは病原体保有者からの糞口感染や飛沫感染によります。
■症状
症状も病原体によって異なりますが、ウイルスによる場合を一般的な例としてあげることができます。通常、発熱、頭痛、悪心・嘔吐で発症し、熱は38~40℃で5日間程度続きます。頭痛は前頭部や眼窩の後ろに痛みを感じることが多く、また光のまぶしさを伴うこともあります。乳幼児の場合には発熱と不機嫌、易刺激性、嗜眠がよくみられます。その他の病原体による無菌性髄膜炎としては、アルボウイルスによるものでは通常髄膜脳炎の形をとることが多いです。結核性や真菌性髄膜炎の場合には、微熱や性格変化、易刺激性、食欲不振など非特異的な症状が認められます。また、マイコプラズマに伴うものでは、その多くが呼吸器病変に引き続いて起こります。
■治療
嘔吐による脱水のために輸液療法が必要になることが多く、また、細菌感染の合併の可能性もあるため、通常入院治療が必要となりますが、多くの場合ウイルス性であるため対症療法が中心となります。ウイルス以外の病原体によるものでは、病原体に特異的な治療が行われます。

 

流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)とは

流行性耳下腺炎

■流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)とは
流行性耳下腺炎は2~3週間の潜伏期を経て発症し、片側あるいは両側の唾液腺の腫脹を特徴とするウイルス感染症で、通常1~2週間で軽快します。最も多い合併症は髄膜炎で、その他髄膜脳炎、睾丸炎、卵巣炎、難聴、膵炎などを認めることもあります。
■好発年齢
患者の年齢は3~6歳が全体の約60%を占めており、4歳が最も多く認められます。
■病原体
流行性耳下腺炎の原因はパラミクソウイルス科のムンプスウイルスです。
■症状
流行性耳下腺炎の経過は基本的に軽症と考えられています。2~3週間の潜伏期を経て、唾液腺の腫脹・圧痛、嚥下痛、発熱を主症状として発症し、通常1~2週間で軽快します。唾液腺の腫脹は両側、或いは片側の耳下腺にみられることが殆どですが、顎下腺、舌下腺にも起こることもあります。接触、或いは飛沫感染で伝搬しますが、その感染力はかなり強いものです。ただ、感染しても症状が現れない不顕性感染も30~35%にみられます。鑑別を要するものとして、他のウイルス、コクサッキーウイルス、パラインフルエンザウイルスなどによる耳下腺炎、特発性反復性耳下腺炎などがあります。特発性反復性耳下腺炎は耳下腺腫脹を何度も繰り返すもので、軽度の痛みがあるものの発熱を伴わないことが殆どで、1~2週間で自然に軽快します。流行性耳下腺炎に何度も罹患する場合には、特発性反復性耳下腺炎の可能性もあります。合併症としての無菌性髄膜炎は軽症と考えられていますが、中枢神経症状を伴うものもあります。思春期以降では、男性で約20~30%に睾丸炎、女性では約7%に卵巣炎を合併するとされています。また、頻度はかなり少ないですが、難聴や膵炎の合併もあります。
■治療
流行性耳下腺炎とその合併症の治療は基本的に対症療法で、発熱に対しては解熱剤の投与を行います。効果的に予防するにはワクチンが唯一の方法で、接種後概ね90%前後が有効なレベルの抗体価を獲得するとされています。患者と接触した場合に予防策として緊急にワクチン接種を行っても、発症を予防することは殆ど困難で、あまり意味がありません。現状では、集団生活に入る前にワクチン接種で予防しておくことが、最善の方法と考えられます。
■学校保健法での取り扱い
流行性耳下腺炎は第二種の伝染病に属し、耳下腺の腫脹がある間はウイルスの排泄が多いので、腫脹が消失するまで出席停止となっています。

 

水痘とは

水痘
 

■水痘とは
水痘は水痘帯状疱疹ウイルスによって起こる急性の感染症です。
■好発時期・好発年齢
毎年12~7月に多く、8~11月には減少します。罹患年齢は殆どが9歳以下です。
■病原体
水痘帯状疱疹ウイルスはヘルペスウイルス科に属するウイルスで、他のヘルペスウイルスと同様に初感染の後、知覚神経に潜伏感染します。ウイルスは通常気道粘膜から侵入し、侵入部位とその近くのリンパ節で増殖した後、4~6日で一次ウイルス血症を起こします。これによりウイルスは他の器官、肝臓、脾臓などに散布され、そこで増殖した後二次ウイルス血症を起こして皮膚に水疱を形成します。
■症状
潜伏期は2週間程度で、子どもでは通常発疹が初発症状です。発疹は全身にみられ痒みを伴い、紅斑、丘疹を経て短時間で水疱となり、かさぶたを形成します。通常は最初に頭皮、次いで体幹、四肢に出現しますが、体幹部に最も多く認められます。数日にわたり新たな発疹が次々と出現しますので、急性期には紅斑、丘疹、水疱、かさぶたのそれぞれの段階の発疹が混在するのが特徴です。臨床経過は一般的に軽症で、倦怠感、痒み、発熱が2~3日間続く程度であることが大半ですが、成人ではより重症になり、合併症の頻度高くなります。初感染からの回復後は終生免疫が得られます。合併症の危険性は年齢により異なり、健康な小児ではあまり認められませんが、15歳以上と1歳以下では高くなります。合併症として、皮膚の二次性細菌感染、脱水、肺炎、髄膜炎、脳炎などがあります。急性期にアスピリンを服用した小児では、ライ症候群を起こすことがあります。免疫機能が低下している場合の水痘では、生命の危険を伴うことがありますので注意が必要です。
■治療・予防
通常、石炭酸亜鉛化リニメントの外用、抗ウイルス剤、二次感染を起こした場合には抗生物質の外用、全身投与が行われます。水痘は人から人への感染によるので、予防としては感染した人との接触を避けることが重要です。弱毒化生ワクチン1回の接種での抗体獲得率は約92%と高いですが、抗体が獲得されても水痘ウイルスに暴露した時に発症することが10~20%程あり得ます。ただし、この場合の水痘は極めて軽く発疹の数も少なく非定型的なことが殆どです。また、水痘が流行している施設や家族内での予防については、患者との接触後少なくとも72時間以内にワクチンを緊急接種することにより、発症の防止、症状の軽症化が期待できます。
■学校保健法での取り扱い
すべての発疹が痂皮化するまで出席停止となります。ただし、病状により伝染のおそれがないと認められた時はこの限りではありません。

 

ポリオとポリオワクチンについて

1.ポリオってどんな病気ですか?
■ポリオは、人から人へ感染します。
 ポリオは、ポリオウイルスが人の口の中に入って、腸の中で増えることで感染します。増えたポリオウイルスは、再び便の中に排泄され、この便を介してさらに他の人に感染します。成人が感染することもありますが、乳幼児がかかることが多い病気です。
■ポリオウイルスに感染すると手や足に麻痺があらわれることがあります。
 ポリオウイルスに感染しても、多くの場合、病気としての明らかな症状はあらわれずに、知らない間に免疫ができます。しかし、腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、主に手や足に麻痺(まひ)があらわれ、その麻痺が一生残ってしまうことがあります。麻痺の進行を止め、麻痺を回復させるための治療が試みられてきましたが、現在、残念ながら特効薬などの確実な治療法はありません。麻痺に対しては、残された機能を最大限に活用するためのリハビリテーションが行われます。
2.日本ではもうポリオは発生していないのに、ポリオワクチンの接種が必要なのですか?
■予防接種によってポリオの大流行を防ぐことができました。
 日本では、1960(昭和35)年に、ポリオ患者の数が5千人を超え、かつてない大流行となりましたが、生ポリオワクチンの導入により、流行はおさまりました。1980(昭和55)年の1例を最後に、現在まで、野生の(ワクチンによらない)ポリオウイルスによる新たな患者はありません。
■今でも、海外から、ポリオウイルスが国内に入ってくる可能性があります。
 海外では依然としてポリオが流行している地域があります。パキスタンやアフガニスタンなどの南西アジア、ナイジェリアなどのアフリカ諸国です。また、これらの国の患者からの感染により、タジキスタン、中国など他の国でも発生したという報告があります。ポリオウイルスに感染しても、麻痺などの症状が出ない場合が多いので、海外で感染したことに気がつかないまま帰国(あるいは入国)してしまう可能性があります。症状がなくても、感染した人の便にはポリオウイルスが排泄され、感染のもととなる可能性があります。
■ポリオに対する免疫をもつ人の割合が減ると、流行する危険があります。
 仮に、ポリオウイルスが日本国内に持ち込まれても、現在では、ほとんどの人が免疫をもっているので、大きな流行になることはないと考えられます。シンカポール、オーストラリアなど、予防接種率が高い国々では、ポリオの流行地からポリオ患者が入国しても、国内でのウイルスの広がりがなかったことが報告されています。しかし、予防接種を受けない人が増え、免疫をもつ人の割合が減ると、持ち込まれたポリオウイルスは免疫のない人からない人へと感染し、ポリオの流行が起こる可能性が増加します。
3.生ポリオワクチンと不活化ポリオワクチンはどう違うのですか?
■生ポリオワクチンには、病原性を弱めたウイルスが入っています。
 「生ワクチン」は、ポリオウイルスの病原性を弱めてつくったものです。ポリオにかかったときとほぼ同様の仕組みで強い免疫ができます。免疫をつける力が優れている一方で、まれにポリオにかかったときと同じ症状が出ることがあります。その他、麻しん(はしか)、風しん(三日ばしか)のワクチン、結核のBCGが生ワクチンです。
■不活化ワクチンは、不活化した(殺した)ウイルスからつくられています。
 「不活化ワクチン」は、ポリオウイルスを不活化し(=殺し)、免疫をつくるのに必要な成分を取り出して病原性を無くしてつくったものです。ウイルスとしての働きはないので、ポリオと同様の症状が出るという副反応はありません(ただし、発熱など、不活化ワクチンにも副反応はあります)。その他、百日せき、日本脳炎のワクチンが不活化ワクチンです。
4.不活化ポリオワクチンはいつから接種可能となりますか?
■単独の不活化ポリオワクチンの導入は、2012(平成24)年9月を予定しています。
 2012(平成24)年9月1日から生ポリオワクチンの定期予防接種は中止され、単独の不活化ポリオワクチンの定期接種が導入されます。