みぞおちのあたりが締め付けられたり、チリチリと焼けつくように感じられるのが胸やけです。胃酸が逆流し、食道を刺激したり、炎症を起こしたりすることが原因です。
暴飲暴食をしたり、消化しにくいものを多く食べると、大量の胃酸が分泌され食道へ逆流して、胸やけが起こることがあります。またアルコールやタバコ、香辛料、果汁、炭酸飲料も胃酸の分泌を促進するので、胸やけの原因になります。
食道の多くは薄い筋肉でできています。加齢によって筋力が低下すると食道の筋肉もしなやかさを失い、胃酸が逆流しやすくなり、胸やけを起こすことがあります。また肥満になると胃や食道の筋肉がゆるみ、そこに腹圧が加わって胃酸が逆流し、胸やけを引き起こします。
草むしりや日曜大工などで前かがみの姿勢が続いたり、食後すぐに横になると胸やけを感じることがあります。これは、胃よりも食道が下か水平になり、胃酸が逆流することで胸やけを引き起こすからです。また寝る直前に食事をとると、胃酸の分泌が盛んなときに横になるため胃酸が逆流しやすくなります。
ストレスを受け続けると胃や十二指腸の働きをコントロールしている自律神経が乱れて、胃酸が過剰に分泌されることがあります。多すぎる胃酸が食道に逆流することで、胸やけを引き起こします。
ヘリコバクター・ピロリ菌は胃の強い酸の中で生息する細菌です。このピロリ菌は胃酸から身を守るために常にアンモニアを出し続けています。ピロリ菌が粘膜を傷つけるメカニズムには多くの説があり、複数のメカニズムが絡んでいると考えられています。一つには、ピロリ菌が出すアンモニアが胃の粘膜を繰り返し傷つけ、慢性胃炎を繰り返し、胸やけの原因になります。また、粘膜が直接胃から分泌される胃酸と消化酵素にさらされ、胃潰瘍に進行していくと考えられています。
近年増加傾向にある症状で、暴飲暴食の習慣や加齢、肥満などが原因で胃酸が逆流しやすくなった状態です。胸やけをはじめ、のどや胸のつかえが起こります。胸やけは、とくに食後に起こりやすくなります。肥満傾向にある人や、腰が曲がり背中が丸くなったお年寄りに多くみられます。胃食道逆流症は食道の炎症がみられない疾患ですが、逆流性食道炎は、食道の炎症をともないます。
主にピロリ菌、慢性的なストレスや食べすぎ飲みすぎで起こると考えられています。胃の粘膜が弱まり、炎症が繰り返されて治りにくくなっている状態です。突然胃痛や吐き気が起こり、多くは胸やけや胃痛、胃もたれ、膨満感、吐き気、げっぷなどの症状が慢性的に繰り返され、胃潰瘍に進行することもあります。
ピロリ菌やストレス、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド薬などが胃粘膜に傷をつけ、さらに消化作用を持つ胃酸・消化酵素が胃粘膜や胃壁を消化することにより起こります。特徴的な症状は、みぞおち周辺のズキズキとした重苦しい痛みです。胃潰瘍は胃に入った食べ物が潰瘍を刺激して痛むので、食事中から食後の痛みが多くなります。その他、胃もたれや胸やけをともないます。
ピロリ菌やストレス、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド薬などが粘膜に傷をつけ、さらに消化作用を持つ胃酸・消化酵素が十二指腸の粘膜や壁を消化することにより起こります。
不規則な時間に食事をとることは胃に負担がかかりますから、規則正しい時間に食事をとるようにしましょう。食事の際は、脂っこいものばかりとりすぎないように注意し、腹八分目を心がけましょう。また胃酸を過剰に分泌し、胃の機能を低下させる強いアルコールやタバコはなるべく控えましょう。
食べ物を消化するためには消化器への多くの血液が必要です。食後すぐに仕事をしたり、外出したり、お風呂に入るなど体を動かしてしまうと、消化に必要な血液が手足に流れてしまいます。食後30分はゆっくりと休む習慣をつけましょう。
病院でピロリ菌検査を受けると、ピロリ菌感染の有無がわかります。いくつか検査方法がありますが、吐いた息で検査するなど、比較的どれも簡単なものです。そして、このピロリ菌は病院で処方された薬を服用するだけで痛みもなく除去することができます。除菌をすることにより、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃がんを予防することや、潰瘍の再発を抑える効果も認められています。
胸やけが気になるときは、胃の粘膜を守る働きがある牛乳を飲みましょう。また唾液には胃酸を中和する作用があります。食後にチューインガムを噛んで唾液を分泌することで胸やけを抑えることができます。
胃酸の食道への逆流を招きやすくする胃の圧迫を避けるために、ベルトや帯、コルセットはゆるめにしましょう。また妊娠中は胃が圧迫されるので、注意が必要です。食事は一度にとらず、何回かに分けてとりましょう。
横になったときに胸やけが起こりやすい場合は、背中に座布団や薄い布団を敷いて、上半身を20~30度上向きにしておくと、胃酸の食道への逆流を防ぎやすくなります。
胸やけが慢性化しているときは、病気が隠れている場合がありますので、主治医に相談するか内科、消化器科、胃腸科の診察を受けましょう。
みぞおちに起こる痛みは、主に胃腸の異常が原因ですが、ときに胆嚢、すい臓や胸部の異常によって起こることもあります。従って、痛みの場所以外に、痛み方や一緒にあらわれる症状をきちんと把握しておくことが大切です。
暴飲暴食をしたり、にんにく、唐辛子など刺激の強い食品を食べすぎると、みぞおちが痛むことがあります。また適量を超えた毎日のアルコールやタバコ、香辛料、果汁、炭酸飲料も胃酸の分泌を促進して胃や十二指腸の粘膜を傷つけ、みぞおちの痛みの原因になります。
過度の精神的ストレスは、自律神経のバランスを崩します。また、エアコンでキンキンに冷えた夏の室内や、暖房で汗ばむような冬の室内など、室内外の温度差による身体的ストレスも、胃や十二指腸の働きをコントロールしている自律神経を乱すことがあります。自律神経が乱れると、過剰に分泌された胃酸が胃や十二指腸の粘膜を傷つけ、みぞおちの周辺に痛みを引き起こします。
腐った食品を食べたり、海外でなま水に当たったりすると、激しい胃の痛みとともに、下痢を起こすことがあります。海外の水はマグネシウムとカルシウムが多く含まれている硬水が多く、軟水に慣れた日本人は下痢をしやすいのです。また、地方によっては井戸水や溜め水を使っているところもあり、それらの水には注意が必要です。
食べすぎ飲みすぎやストレス、ウイルス、ピロリ菌の感染、食中毒、アレルギーなどが原因で胃の粘膜がただれ、みぞおちが突然キリキリと痛むことがあります。その他に、吐き気や下痢をともなうこともあり、ひどい場合は嘔吐や吐血、下血を起こすこともあります。多くの場合、安静にしていれば2~3日で治まります。
仕事などによる精神的なストレスや過労が原因となり、自律神経がバランスを崩して起こる胃炎です。ストレスを受けて、自律神経がバランスを崩すと胃酸が過剰に分泌され、みぞおちが痛む、気分がふさぐ、のどがつかえる、胸やけがするなどの症状を引き起こします。
ピロリ菌やストレス、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド薬などが胃粘膜に傷をつけ、さらに消化作用を持つ胃酸・消化酵素が胃粘膜や胃壁を消化することにより起こります。特徴的な症状は、みぞおち周辺のズキズキとした重苦しい痛みです。胃潰瘍は胃に入った食べ物が潰瘍を刺激して痛むので、食事中から食後の痛みが多くなります。その他、胸やけや胃もたれをともないます。
ピロリ菌やストレス、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド薬などが粘膜に傷をつけ、さらに消化作用を持つ胃酸・消化酵素が十二指腸の粘膜や壁を消化することにより起こります。
細菌に汚染された食品や毒素を含む食品を食べたことでみぞおち周辺に痛みが起こり、吐き気や嘔吐、発熱、下痢などの症状が急激に起こることがあります。原因となる主な細菌は、生肉などに生息するカンピロバクター、鶏や卵などに生息するサルモネラ菌、生の魚介類などに生息する腸炎ビブリオ菌、人の皮膚の傷口などに繁殖する黄色ブドウ球菌などです。毒素を含む食品には、ふぐ、きのこ、じゃがいもの芽などがあります。
心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液を送り込む冠動脈が狭くなり、そこに血液が固まってできる血栓がふさいで血流が完全に止まってしまう状態です。心筋の一部が壊死してしまうことから、死に至ることもあります。突然、胸やみぞおちに激痛が起こり、吐き気や冷や汗などもみられ、胸の痛みは30分から数時間続きます。主な原因は動脈硬化ですが、これに高血圧や糖尿病、肥満、喫煙などが重なるとリスクが高まります。
食べすぎ飲みすぎはもちろん、朝食を抜いたり遅い時間に食事をとったりすることも、胃腸に負担をかけます。3食きちんと規則正しい時間に食べ、腹八分目に留めるようにすることが大切です。とくに、寝る前の脂ものは控えましょう。また、アルコールは適量ならば問題ありません。過度の飲酒は控え、楽しくお酒と付き合っていきましょう。
気温も湿度も高く、食あたりが増える6~9月頃の時期は、食品の鮮度を冷蔵庫で保ちましょう。さらに、まな板や包丁などの調理器具を清潔にする配慮も欠かせません。また気をつけたいのは海外旅行中の飲料です。なま水は避け、屋台などでの果汁飲料や氷にも注意が必要です。
病院でピロリ菌検査を受けると、感染の有無がわかります。いくつか検査方法がありますが、吐いた息による検査や血液中のピロリ菌に対する抗体検査など、どれも簡単なものです。このピロリ菌は病院で処方された薬を服用するだけで痛みもなく除去することができます。ピロリ菌の除去は、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃がんを予防することや、潰瘍の再発を抑える効果が認められています。
胃の痛みが長く続くときや、激しい痛みがあるようなときは、重い病気が隠れている場合があります。主治医に相談するか、内科、消化器科、胃腸科の診察を受けましょう。ストレスによるみぞおちの痛みの場合は、心療内科で相談してみるのもいいでしょう。また、腹痛が強く発熱をともなうときには、呼吸器科や循環器科を受診してみましょう。
吐き気とは、みぞおちから胸の辺りがむかむかして、嘔吐が起こりそうな不快感で、悪心(おしん)ともいいます。消化器をはじめ、心血管、脳神経、目や耳などさまざまな病気が原因となって起こり、生命に関わる危険信号の場合もあります。
暴飲暴食により胃に負担がかかると、胃の粘膜に炎症が起きて、痛みや胸やけ、吐き気などの症状が起きることがあります。また、アルコールを飲みすぎることによって、肝臓がアルコールを分解する過程でできる有害物質・アセトアルデヒドの解毒が間に合わなくなると、防御反応として吐き気、嘔吐が起きます。
吐き気は、脳にある吐き気、嘔吐の司令を出す脳の特定の部分に、末梢から自律神経が信号を送ることによっても起きます。ストレスによって自律神経が乱れると、体にさまざまな症状があらわれますが、胃腸症状の一つとして吐き気が起きる場合があります。
乗り物に乗っているときは、上下左右の揺れ、カーブや回転、速度や加速度などの変化を内耳の器官が感じとって脳に伝えています。しかし、人によっては異常な刺激と感じることがあり、その結果、自律神経のバランスが崩れ、吐き気や冷や汗、頭痛、めまいなどが引き起こされます。
腐った食品や毒性のある食品を食べると、激しい胃の痛みとともに、嘔吐を起こすことがあります。なかでもよく起こるのが、秋のきのこ狩りなどでのきのこや、海外でのなま水、ふぐなどによる食あたりです。また、近年はカキやシジミなどの魚介類に生息するノロウイルス、生肉などに生息するO157(病原性大腸菌)による食中毒も多くみられます。
妊娠初期に起こるつわりでは、朝の空腹時などに胸のむかつきや強烈な吐き気に襲われ、吐くものの少ない嘔吐に苦しむことがあります。妊婦の50~80%が経験するというつわりは、約6~8週間続きますがそれ以降はおさまります。つわりが起こる原因は、ホルモンのバランスの変化や心理状態が関係しているのではないかと考えられています。
不潔な場所や排気ガスの不快な臭いで嗅覚が刺激されると、吐き気を感じることがあります。また、タバコを吸いすぎると、タバコに含まれるニコチンなどの有害物質によって吐き気が引き起こされます。
薬の副作用として吐き気が起きる場合があります。代表的なものは、抗がん剤、モルヒネなどの医療用麻薬、心不全の治療薬であるジキタリス製剤、気管支拡張薬のテオフィリン薬、貧血の治療に用いる造血薬(鉄剤)などです。
吐き気は、急性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がん、虫垂炎、腸閉塞などの消化器疾患や、肝炎、膵炎、胆石症、腹膜炎など数々の病気で起こります。また、内耳の異常から起こるメニエール病や突発性難聴、脳卒中、心筋梗塞、緑内障などがあります。また、更年期障害やストレスによる自律神経失調症などの疾患、妊娠初期、風邪、インフルエンザのときにも吐き気が起きることがあります。
食べすぎ飲みすぎやストレス、ウイルス、ピロリ菌の感染、食中毒、アレルギーなどが原因で胃の粘膜がただれ、みぞおちが突然キリキリと痛むことがあります。胃痛の他に、吐き気や下痢をともなうこともあり、ひどい場合は嘔吐や吐血、下血を起こすこともあります。多くの場合、安静にしていれば2~3日で治まります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、ピロリ菌や非ステロイド性鎮痛剤、ストレスなどが主な原因で起こると考えられています。強い胃酸と消化酵素によって胃や十二指腸の粘膜が局所的に欠損する疾患です。胃潰瘍は食事中から食後にかけてみぞおち周辺に重苦しい痛みが起こりますが、十二指腸潰瘍は早朝や空腹時にみぞおち周辺がシクシクと痛み、食事をとると治まるのが特徴です。共に胃もたれや吐き気、食欲不振をともないます。
内臓を包んでいる腹膜が細菌に感染して炎症が起きる病気です。急性虫垂炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどで胃や腸に穴が開いたり、腸閉塞によって組織が部分的に死滅する壊死などが原因となります。代表的な症状は腹痛ですが、その他に高熱、吐き気、嘔吐、呼吸障害などがあります。適切な処置を行わないと、生命に関わる場合もあります。
盲腸の先についている虫垂という部分に炎症が起きる病気です。突然みぞおちやおへその部分が痛くなり、次第に右下腹部へと痛みが移動するのが特徴で、吐き気や嘔吐、発熱をともないます。放置すると重篤な腹膜炎を起こす危険性もあります。10~30代に多く発症し、暴飲暴食、過労などが引き金になって起きると考えられています。
腫瘍や腸の動きの障害、腸のねじれなどによって、腸が詰まり、そこから先に腸の内容物が運ばれていかない状態です。腸に便やガスが溜まり、腹痛、お腹の張り、吐き気や嘔吐といった症状がみられます。
肝炎ウイルスに感染して起きる急性肝炎では、黄疸、発熱、全身倦怠感、吐き気・嘔吐などの症状があらわれます。また、胆汁が固まって胆のうに石ができる胆石症や、たんぱく質を分解する酵素が膵臓自身を攻撃してしまう膵炎も、腹痛や吐き気、嘔吐がみられます。胆のうや膵臓の疾患は、脂肪の多い食事やアルコールの飲みすぎなどが原因と考えられています。
胃に負担をかけないように、暴飲暴食を避けましょう。刺激物や脂っこい食事を控え、消化の良いものを選ぶことが大切です。アルコールは適量を守り、自分のペースでゆっくり飲みましょう。空腹状態で飲むと血中のアルコール濃度が高くなり吐き気が起きやすくなりますので、つまみ類を食べながらゆっくりと飲むようにしましょう。
日々のストレスは体に大きな負担をかけ、吐き気の原因になることもあります。読書やお風呂、音楽鑑賞など、毎日できる自分に合ったストレス解消方法をみつけ、ストレスと上手に付き合っていきましょう。
睡眠を十分にとり、下痢や便秘があれば治しておくなど、体調を整えておきます。乗り物に乗ったら、揺れの少ないところに座り、立ったり歩いたりは控えましょう。遠くの景色を見たり、窓を開けて新鮮な空気に当たると酔いにくくなります。酔い止めの薬を乗る1時間くらい前に飲んでおくと良いでしょう。
気温も湿度も高く、食あたりが増える6~9月頃の時期は、食品の鮮度を冷蔵庫で保ちましょう。さらに、まな板や包丁などの調理器具を清潔にする配慮も欠かせません。また気をつけたいのは海外旅行中の飲料です。なま水は避け、屋台などでの果汁飲料や氷にも注意が必要です。
吐き気をもよおしたときは、衣服をゆるめ、横になって静かに休みましょう。特にめまいをともなう場合は、転倒しないように注意し、横になれる場所に移動しましょう。
吐き気が続くときは主治医の診断を、めまいや耳鳴りをともなうときは耳鼻咽喉科を受診しましょう。また、吐き気は脳卒中や腸閉塞、心筋梗塞などが原因で起きる場合がありますので、激しい頭痛や胸痛、腹痛、意識障害をともなう場合や、頭部を強く打った後に吐き気が起きた場合は、救急車を呼び一刻も早く病院へ行きましょう。
排便の数が多く、水分を多く含む、形のない便が出る状態が下痢です。腸の水分吸収が不十分だったり、腸からの分泌物が増加したときなどに下痢を起こします。食中毒や腸内感染のように、突然起こり、短期で治まる急性下痢と、3週間以上続く慢性下痢に分けられます。慢性下痢の場合、他の疾患が隠れている場合があります。
発熱をともなわない下痢はほとんどが飲みすぎ、食べすぎ、冷えが原因です。疲れているときはとくに消化機能が弱っているので、下痢になりやすくなります。
アルコールや、辛みの強い刺激物などを摂取すると、胃酸が多く分泌されすぎて、胃壁の粘膜を傷つけたり、腸のぜん動運動が高まりすぎて下痢を引き起こします。
冷たい物を飲みすぎるなどして胃腸が冷やされると、胃腸の血行が悪くなり、消化機能が低下し、下痢になります。また、冷え症によっても同様のことが起こります。
食中毒や赤痢、コレラ、風邪など細菌やウイルスの感染が急性の下痢の症状を起こすことがあります。これらの感染性急性下痢の症状は、発熱や腹痛、吐き気、嘔吐などをともなうのが特徴です。
ストレスなどで緊張が高まると、腸の動きをコントロールしている自律神経が乱れて腸が痙攣するので動きがにぶくなり、下痢や便秘になったり、下痢と便秘を繰り返すことがあります。
精神的ストレスや情緒不安定などが原因で、腸のぜん動運動に異常が起こり、腹痛をともなう慢性的な下痢を引き起こします。ときに下痢と便秘が交互に起こることもあります。何週間も下痢が続いたり、一時的に治まり、その後再発という現象を繰り返すこともあります。
何らかの原因で大腸の粘膜に慢性的な炎症を起こし、粘膜がただれたり、潰瘍が多発します。長期間下痢と腹痛が続き、粘液や血液の混じった便が出たり、発熱などの症状があらわれます。ストレスで症状が悪化し、比較的若い世代での発症が多くみられます。
腸の内側にできるイボ状に突き出た腫瘍で、多くは良性ポリープですが放置すると大腸がんに進行することもあります。血便や下痢、便秘といった症状がみられることがあります。早期のものは、自覚症状がありません。
サルモネラ菌やO-157、ノロウイルスなどによる食中毒、ウイルス感染による風邪、コレラや赤痢などに急性の下痢の症状がみられます。これらの疾患は同時に腹痛、発熱、嘔吐をともなうことが多くみられます。
乳糖不耐症は、牛乳などに含まれる乳糖を分解する酵素が少なくて、牛乳などを飲んだときに下痢を起こす病気です。また、アレルギー性胃腸炎は、アレルギー体質の人が胃腸にアレルギーを起こす原因となる食品を摂取すると、下痢や嘔吐、腹痛などの症状を起こします。
下痢のほとんどの原因は食べすぎ飲みすぎが占めています。例えば辛いものや焼肉をたくさん食べれば下痢をします。またお酒の飲みすぎも下痢になることが多いので、適量を心がけましょう。
慢性的な下痢の原因となるストレスを軽減しましょう。ゆっくり休息する時間をとる、睡眠をきちんととる、趣味を見つけるなどして、ストレスと上手につき合っていきましょう。
タバコに含まれるニコチンは、腸のぜん動運動を急激に促すので下痢の一因になります。愛煙家で下痢に悩んでいる人は、本数を減らすか、禁煙にチャレンジしましょう。
大腸のポリープは、初期は自覚症状がありません。そのため、定期的な便潜血検査(肉眼では発見できない便に混じる血液を調べる検査)が発見のきっかけになります。
激しい下痢は、脱水症状を引き起こすことがあります。冷たいものは刺激が強いので、湯ざましやうすい番茶、麦茶、ぬるめのミネラルウオーターを少しずつ何回にもわけて飲みましょう。胃腸を休めるためにも、おかゆやすりおろしたりんご、野菜スープ、脂肪分の少ない鶏のささみや白身魚、卵を使った料理を食べましょう。
腸への刺激が少なく、消化が良く、栄養価が高い食材を使って体の抵抗力を上げていきましょう。柔らかいご飯やうどん、さといも、じゃがいも、卵、鶏のささみ、柔らかい赤身の牛肉、白身魚、豆腐、納豆、バナナ、りんご、ヨーグルトといった食材を積極的にとりましょう。また、牛乳などの特定の食品を摂取すると下痢になる場合は、その食品は避けるようにしましょう。
長期間続く下痢や、高熱、強い腹痛、血や粘膜が混じる便の症状などがある場合は、病院を受診しましょう。
排便回数の減少、1回の排便量の減少や便を出すのが困難に感じたり残便感などを自覚した状態です。生活習慣や腸の動きが原因となる便秘と、大腸がんや腸閉塞などの病気が原因となる便秘に分けられます。
朝食を抜いたり、食事の時間が不規則。食べる量が極端に少ない。あるいは食物繊維の少ない偏った食生活は、便秘を引き起こしやすくします。
朝は最も便意を感じやすい時間帯。このときに身支度に忙しくて便意を我慢し続けると、そのまま一日がすぎてしまうことにもなりかねません。このような我慢を続けると、直腸の感覚が鈍くなり、便意を感じにくくなってしまいます。
運動不足や加齢による体力の衰えによって腹筋が弱くなると腹圧を十分にかけられなくなります。便意を感じても腹圧がかけられず、便を押し出す力が不足してしまいます。とくにお年寄りや妊娠した女性に便秘が多いのも腹筋のゆるみが原因です。
ストレスなどで緊張が高まると、腸の動きをコントロールしている自律神経が乱れて腸が痙攣するので動きがにぶくなり、便は細くて短く、また便秘と下痢を繰り返すようになってしまいます。
脂肪の多い食事などによって、大腸の細胞ががんに変化しやすくなると考えられています。がんの進行によって大腸が狭くなり、排便が困難になります。初期は無症状であることがほとんどで、進行すると便秘や便が細くなり、血便が出ることがあります。
腫瘍や腸の動きの障害、腸のねじれなどによって、腸が詰まり、そこから先に腸の内容物が運ばれていかない状態です。腸に便やガスが溜まり、腹痛、お腹の張り、おう吐といった症状がみられます。
精神的ストレスや情緒不安定などが原因で、腸のぜん動運動に異常が起こり、腹痛をともなう慢性的な下痢を引き起こします。時に下痢と便秘が交互に起こることもあります。何週間も下痢が続いたり、一時的に治まり、その後再発という現象を繰り返すこともあります。
食物繊維は腸の中で膨らんで便のカサを増やし、スムーズに排便を促します。食事性、習慣性、弛緩性便秘の人はごぼうやさつまいもなどを摂取しましょう。痙攣性便秘の人は、海草類や納豆、キノコ類をとるといいでしょう。
お通じを一番感じやすいのが朝です。しかし、時間がなくバタバタしていると、つい便意を我慢してしまいがち。便意を感じたら、なるべくそのときに行くというリズムを身につけ、決まった時間に排便する習慣をつけましょう。
適度な運動は、大腸の活性化やストレスの緩和にも役立ちます。できるだけ歩くように心がけたり、腹式呼吸や腹筋ストレッチで腹筋を鍛えましょう。
水分の摂取、適度な運動、健康的な食習慣など、便秘の解消には生活習慣の改善が一番大切です。できることから始めていきましょう。
便秘が長期間続いたり、便に血が混じるといった場合は、内科・消化器科・胃腸科で診察を受けましょう。
消化管や直腸、肛門などから出血した血液が混じった便が血便です。
細菌に汚染された食品を食べたことによって細菌感染による炎症を起こし、腸の細胞が傷つけられ、腸から出血することで血便になることがあります。
代表的なものでは痔、胃潰瘍、十二指腸潰瘍や胃腸炎などの病気で血便が起こることがあります。また、大腸がんでも血便になることがありますが、初期は肉眼的に確認できないことが多いです。
排便時や排便後に真っ赤何な血が出ているときは、痔が考えられます。痔による血便では、便の表面に少量の血がついていたり、排便後にポタポタ落ちたり、おしりを拭いた紙に血が付着していたりすることが特徴です。
強い胃酸と胃の消化酵素によって胃の粘膜が大きく傷つけられ、粘膜の一部が欠けるのが胃潰瘍です。ピロリ菌やストレス、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド薬などが胃粘膜に傷をつけ、さらに消化作用を持つ胃酸・消化酵素が胃粘膜や胃壁を消化することにより起こります。血液が食べたものと一緒に長い腸を経て排出されるため、真っ赤ではなく、コールタールのような黒い血が混じった血便になります。他には、食事の後にシクシクとみぞおち辺りに痛みを感じたり、吐血などの自覚症状もみられます。
強い胃酸と胃の消化酵素によって十二指腸の粘膜が大きく傷つけられ、粘膜の一部が欠けるのが十二指腸潰瘍です。ピロリ菌やストレス、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド薬などが粘膜に傷をつけ、さらに消化作用を持つ胃酸・消化酵素が十二指腸の粘膜や壁を消化することにより起こります。便の色は黒く、コールタールのように見えます。胃酸の分泌が活発な若者に多くみられ、夜間や早朝など空腹時に持続的な腹部の痛みを感じることが大きな特徴です。
大腸の粘膜に潰瘍やただれができる炎症性の疾患で、ここ数年患者数が急増しています。20代の若い人に多く発症し、非常に再発しやすいという特徴があります。主な症状として、下痢にともなう粘血便があらわれます。重症になると発熱や腹痛を生じて、ときには緊急手術が必要となる病気です。
自覚症状があらわれにくい大腸がんは、早期に発見し治療を行うことで100%近く治癒します。また、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となるピロリ菌感染の有無も検査で確かめることができます。いくつか検査方法がありますが、吐いた息で検査するなど、どれも比較的簡単なものです。定期的な検診で異常を早期にキャッチしましょう。
病院でピロリ菌検査を受けると、ピロリ菌感染の有無がわかります。いくつか検査方法がありますが、吐いた息で検査するなど、比較的どれも簡単なものです。そして、このピロリ菌は病院で処方された薬を服用するだけで痛みもなく除去することができます。除菌をすることにより、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃がんを予防することや、潰瘍の再発を抑える効果も認められています。
血便のなかには大腸がん、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のような重い疾患が隠れている場合があります。血便とともに腹痛や吐き気、嘔吐、発熱などをともなう場合には、すみやかに内科や消化器科、胃腸科で診察を受けましょう。